「闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記」
飯塚雅俊さん著書「闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記」を読了しました。本のボリュームが大きいというか、中身が濃かったので、読み終えるのに4時間以上掛かった気がします。それだけ活字離れというか本をつらつら読むことから遠ざかっている証拠でもあるのですが。。。
一番ウケた(本人はウケを狙って書いていないと思いますが)のはP73-P74 第5章怒りの「サラダより焼肉だ! と叫ぶ妻」の項の夫婦のやりとりでした。
その部分を引用させていただくと…
トヨタの某ハイブリッド車に乗り換えた。維持費のかかる遊び車よりも燃費が良くて仕事に使えて、家族も乗せられる経済車だと思ったからだ。
ところがこれが失敗だった。ハイブリッド車なのに燃費もびっくりするほどよいというわけではなく、なによりもノロかった。
(中略)
「いちいち文句言うなよ。しょーがないだろ。時代はイケイケからエコなんだから」
「こういう落ち込みそうなときこそエコじゃダメなのよ。ぐぐーっとパワーを感じるようななにかじゃないと。だってそうでしょ。アナタぐったりと疲れたときにサラダとか食べないでしょ? 普通焼き肉よ、焼き肉。車も同じ。去勢されたような車じゃダメなのよ。焼き肉にしなさい!」
あっぱれ!素敵な奥様です。ハイブリッド車=去勢されたような車、とは言い得て妙です(笑)。メガーヌRSは間違いなく焼き肉な車ですよね?
本の中頃からグローバリズムの問題提起が始まります。ここからはほぼ休みなしで最後まで読み切りました。内容は共感できるものです。安さを追い求めた結果、そのツケが我々の生活を脅かしているのですから。安いものしか買わない→企業の収益が上がらない→社員の給料が上がらない→安いものしか買えない…という負のスパイラル。実際には企業は仕入れ値を下げて(仕入先や下請け業者をダンピングして)利益を得ているところが少なくないのですが、その場合は会社の経営陣や株主は潤い、従業員は疲弊していることが少なくないという…。
物質的に豊かになったけれど、心が貧しいのが今の世の中のような気がします。物質的・金銭的に豊かであっても、心が豊かでなければ、それは幸せとは言えないよなぁと思う。